明治28年
雪の進軍
永井建子 作詞/作曲
雪の進軍氷をふんで
どれが河やら道やら知れず
馬はたおれる捨ててもおけず
此処は何処ぞ皆敵の国
ままよ大胆一服やれば
頼みすくなや煙草が二本
焼かぬ乾物に半煮え飯に
なまじ生命のある其のうちは
こらえ切れない寒さの焚き火
煙いはずだよ生木が燻る
渋い顔して功名談
すいというのは梅干し一つ
着の身着のまま気楽なふしど
背嚢枕に外套かぶりゃ
背の温みで雪解けかかる
夜具の黍殻シッポリ濡れて
結びかねたる露営の夢を
月は冷たく顔覗き込む
命捧げて出てきた身ゆえ
死ぬる覚悟で突喊すれど
武運拙く討死せねば
義理にからめた恤兵真綿
そろりそろりと頸締めかかる
どうせ生かして還さぬ積り